熱中症とは
「熱中症」とは、高温多湿な環境下において、体内の水分及び塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、循環調節や体温調節などの体内の重要な調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称です。
症状として、めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感、意識障害・痙攣・手足の運動障害、高体温などが現われます。
熱中症の症状と分類
熱中症にはさまざまな症状が現れますので、それぞれに病名がつけられています。
熱失神 | 暑熱環境下で皮膚血流の著しい増加と多量の発汗とにより、相対的に脳への血流が一時的に減少することにより生ずる立ちくらみが起きる |
---|---|
熱けいれん | 汗で失われた塩分が不足することにより生ずる筋肉のこむら返りや筋肉の痛みが出る |
熱疲労 | 脱水が進行して、全身のだるさや集中力の低下した状態をいい、頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐などが起こる |
熱射病 | 「熱疲労」を放置した状態。中枢神経症状や腎臓・肝臓機能障害、さらには血液凝固異常まで生じた状態のことで、普段と違う言動やふらつき、意識障害、全身のけいれん(ひきつけ)などが現れる |
ただし、実際の現場では、これらの状態が混在して発生するので、熱中症が発生した時には、重症度にしたがって分類しています。最新の熱中症診療ガイドライン2024では、これまでⅢ度(2015)としてきた重症群の中に、さらに注意を要する最重症群があり、この最重症群を「Ⅳ度」として同定し、Active Coolingを含めた集学的治療を早急に開始することを提唱されています。併せて、深部体温の測定なしでも重症を予測する基準として「qⅣ度」を提唱して、深部体温測定を推奨することとしています。
熱中症の症状と治療(日本救急医学会『熱中症診療ガイドライン2024』より)
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重症度 | 症状 | 治療 | |||
---|---|---|---|---|---|
Ⅰ度 |
めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り、意識障害を認めない | 通常は現場で対応可能
Passive Cooling、不十分ならActive Cooling、経口的に水分と電解質の補給 |
|||
Ⅱ度 |
頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下(JCS≦1) | 医療機関での診療が必要
Passive Cooling、不十分ならActive Cooling、十分な水分と電解質の補給(経口摂取が困難なときには点滴にて) |
|||
qⅣ度 |
表面体温40.0℃以上(若しくは皮膚に明らかな熱感あり)+GCS≦8(もしくはJCS≧100【深部体温測定は不要】)
|
深部体温 39.9℃以下 |
Ⅲ度 2024 |
下記の3つのうちいずれかを含む
|
入院治療の上、Active Coolingを含めた集学的治療を考慮する。 |
深部体温 40.0℃以上 |
Ⅳ度 |
深部体温40.0℃以上かつGCS≦8 | Active Coolingを含めた早急な集学的治療 |
用語
Active Cooling | 何らかの方法で、熱中症患者の身体を冷却すること。 熱中症診療ガイドライン2015 では、「体温管理」「体内冷却」「体外冷却」「血管内冷却」「従来の冷却法(氷囊、蒸散冷却、水冷式ブランケット)」「ゲルパッド法( Arctic Sun® ,Medivance)」「ラップ法(水冷式 冷却マットで体幹および四肢を被覆する;Gaymer Medi-Therm® , Gaymar)」などと記載されていたのを「Active Cooling」に包括的に記載を統一する。 ただし、Passive Cooling(冷蔵庫に保管していた輸液製剤を投与することや、クーラーや日陰の涼しい部屋で休憩すること)は含まない。 |
---|---|
従来のActive Cooling | Active Cooling のうち、高度な体温管理機器を用いない冷却方法であり、冷水浸水 (Cold water immersion) 、蒸散冷却(evaporative plus convective cooling)、胃洗浄(Cold watergastric lavage)、膀胱洗浄(Cold water bladder irrigation)、局所冷却(Ice packs)があげられる。 |
Passive Cooling | 冷蔵庫に保管していた輸液製剤を投与することや、クーラーや日陰の涼しい部屋で休憩すること。熱中症診療ガイドライン2015 では「冷所での安静」と記載されていた。 |
熱中症者への対応
熱中症が疑われる人を見かけた場合の対応手順を紹介します。その人の状態やその場の環境によりますが、まず下記の手順で応急処置を行いましょう。
①意識を確認する。意識がはっきりしていなければただちに救急隊を要請
②意識がはっきりしている場合は
- 涼しい場所(エアコンの効いた室内、風通しの良い日陰など)へ避難させる
- 衣服をゆるめ、からだを冷やす(特に首の回り、脇の下、足の付け根など)
- 水分・塩分、経口補水液(水に食塩とブドウ糖を溶かしたもの)などを補給する自力で水分がとれなければ、ただちに救急隊を要請
職場における熱中症による死傷者数の状況(2015~2024年)
職場での熱中症による死亡者及び休業4日以上の業務上疾病者の数(以下合わせて「死傷者数」という。)は、2024年に1,257人と、死傷者数について統計を取り始めた2005年以降、最多となっている。うち、死亡者数は31人と、死亡災害について統計を取り始めた1989年以降、当時、観測史上1位の猛暑であった平成22年の47人に次いで多くなっている。
職場における熱中症による死傷者数の推移(2015~2024年)
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(人)
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
464 (29) |
462 (12) |
544 (14) |
1,178 (28) |
829 (25) |
959 (22) |
561 (20) |
827 (30) |
1,106 (31) |
1,257 (31) |
※( )内の数値は死亡者数であり、死傷者数の内数である。

業種別発生状況(2020~2024年)
2024年の死傷者数1,257人について、業種別でみると、製造業が235人、建設業が228人の順で多くなっている。死亡者数については、31人のうち建設業が10人と最も多く発生しており、次いで、製造業が5人となっている。
また、2020年以降の5年間に発生した熱中症の死傷者数について、業種別でみると、死傷者数、死亡者数ともに建設業、製造業の順で多く発生しており、年によって、製造業と建設業の順番は入れ替わることがあるが、いずれの年もこの2業種で死傷者数は約4割、死亡者数は約5割から6割程度を占めている。
熱中症による死傷者数の業種別の状況(2020~2024年)
※横にスクロールします
(人)
業種 | 建設業 | 製造業 | 運送業 | 警備業 | 商業 | 清掃・ と畜業 |
農業 | 林業 | その他 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2020年 | 215 (7) |
199 (6) |
137 (0) |
82 (1) |
78 (2) |
61 (4) |
14 (1) |
7 (0) |
166 (1) |
959 (22) |
2021年 | 130 (11) |
87 (2) |
61 (1) |
68 (1) |
63 (3) |
31 (0) |
14 (2) |
7 (0) |
100 (0) |
561 (20) |
2022年 | 179 (14) |
145 (2) |
129 (1) |
91 (6) |
82 (2) |
58 (2) |
21 (2) |
6 (0) |
116 (1) |
827 (30) |
2023年 | 209 (12) |
231 (4) |
146 (1) |
114 (6) |
125 (3) |
61 (0) |
27 (4) |
9 (0) |
184 (1) |
1,106 (31) |
2024年 | 228 (10) |
235 (5) |
186 (3) |
142 (2) |
116 (2) |
76 (2) |
32 (1) |
10 (0) |
232 (6) |
1,257 (31) |
計 | 961 (54) |
897 (19) |
659 (6) |
497 (16) |
464 (12) |
287 (8) |
108 (10) |
39 (0) |
798 (9) |
4,710 (134) |
※()内の数値は死亡者数で内数である。


月・時間帯別発生状況(2020~2024年)
1.月別発生状況
2024年の死傷者数1,257人について、月別の発生状況でみると、約8割が7月、8月の2ヶ月間に集中している。特に死亡者数については、31人のうち、1人を除き、7月又は8月に集中している。
また、2020年以降の5年間に発生した熱中症の死傷者数について、月別の発生状況でみると、死傷災害については2024年と同様の傾向があり、約8割が7月、8月の2ヶ月間に集中している。死亡者数についても2022年は6月に10人の方が亡くなっているが、これを除けば、いずれの年も7月又は8月に集中している。
熱中症による死傷者数の月別の状況(2020~2024年)
※横にスクロールします
(人)
4月 以前 |
5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 以降 |
計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2020年 | 2 (0) |
16 (1) |
85 (0) |
115 (4) |
651 (16) |
84 (1) |
6 (0) |
959 (22) |
2021年 | 4 (0) |
7 (1) |
41 (0) |
213 (7) |
269 (12) |
20 (0) |
7 (0) |
561 (20) |
2022年 | 2 (0) |
14 (0) |
184 (10) |
291 (9) |
280 (10) |
46 (1) |
10 (0) |
827 (30) |
2023年 | 5 (0) |
21 (0) |
63 (1) |
431 (18) |
493 (10) |
86 (2) |
7 (0) |
1,106 (31) |
2024年 | 3 (0) |
18 (0) |
57 (0) |
588 (17) |
431 (13) |
156 (0) |
4 (1) |
1,257 (31) |
計 | 16 (0) |
76 (2) |
430 (11) |
1,638 (55) |
2,124 (61) |
392 (4) |
34 (1) |
4,710 (134) |
※4月以前は1月から4月まで、10月以降は10月から12月までを指す。
※()内の数値は死亡者数で内数である。

2.時間帯別発生状況(2020~2024年)
2024年の死傷者数1,257人について、時間帯別の発生状況についてみると、午前中や午後3時前後の被災者数が多くなってことが窺えるが、いずれの時間帯でも発生している。死亡災害についても同様にいずれの時間帯でも発生している。
また、2020年以降の5年間に発生した熱中症の死傷者数について、時間帯別の発生状況についてみると、死傷災害、死亡災害ともに2024年と同様の傾向となっている。
なお、気温が下がった17時台や18時台以降に死亡に至るケースが少なからずみられるが、これらには、日中には重篤な症状はみられなかったにもかかわらず、作業終了後や帰宅後に体調が悪化した事案が含まれている。
熱中症による死傷者数の時間帯別の状況(2020~2024年)
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(人)
9時台 以前 |
10時台 | 11時台 | 12時台 | 13時台 | 14時台 | 15時台 | 16時台 | 17時台 | 18時台 以降 |
計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2020年 | 104 (2) |
102 (3) |
119 (0) |
86 (3) |
73 (4) |
116 (3) |
124 (2) |
92 (4) |
61 (0) |
82 (1) |
959 (22) |
2021年 | 48 (0) |
56 (1) |
74 (3) |
53 (4) |
47 (3) |
63 (3) |
73 (0) |
61 (3) |
38 (3) |
48 (0) |
561 (20) |
2022年 | 100 (1) |
78 (3) |
87 (1) |
53 (3) |
74 (2) |
115 (3) |
106 (6) |
92 (2) |
55 (5) |
67 (4) |
827 (30) |
2023年 | 143 (4) |
118 (2) |
155 (6) |
104 (1) |
72 (0) |
124 (5) |
123 (2) |
105 (1) |
76 (8) |
86 (2) |
1,106 (31) |
2024年 | 167 (3) |
126 (2) |
137 (2) |
93 (2) |
92 (1) |
143 (3) |
160 (7) |
125 (5) |
99 (3) |
115 (3) |
1,257 (31) |
計 | 562 (10) |
480 (11) |
572 (12) |
389 (13) |
358 (10) |
561 (17) |
586 (17) |
475 (15) |
329 (19) |
398 (10) |
4,710 (134) |
※9時台以前は0時台から9時台まで、18時台以降は18時台から23時台までを指す。
※()内の数値は死亡者数で内数である。

年齢別発生状況(2020~2024年)
2024年の死傷者数1,257人について、年齢別の発生状況についてみると、死傷者数、死亡者数ともにいずれの年齢層においても発生しており、死傷者数については、50歳代以上で全体の約56%を占めており、死亡者数については全体の約67%を占めている。
また、2020年以降の5年間に発生した熱中症の死傷者数について、年齢別の発生状況についてみると、2024年度同様の傾向がみられ、死傷者数については、50歳代以上で全体の約52%を占めており、死亡者数については、全体の約61%を占めているなど、一般に高齢者は、身体機能の低下等の影響により、加齢により熱中症を発症するリスクが高いことから、死亡災害に至る割合が高くなっていることが考えられる。
熱中症による死傷者数の年齢別の状況(2020~2024年)
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(人)
19歳 以下 |
20~ 24歳 |
25~ 29歳 |
30~ 34歳 |
35~ 39歳 |
40~ 44歳 |
45~ 49歳 |
50~ 54歳 |
55~ 59歳 |
60~ 64歳 |
65歳 以上 |
計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2020年 | 24 (0) |
54 (0) |
51 (0) |
56 (1) |
82 (2) |
87 (5) |
134 (2) |
123 (4) |
105 (2) |
93 (3) |
150 (3) |
959 (22) |
2021年 | 12 (1) |
46 (0) |
25 (0) |
41 (0) |
36 (2) |
53 (2) |
69 (3) |
65 (3) |
70 (4) |
58 (1) |
86 (4) |
561 (20) |
2022年 | 10 (0) |
39 (2) |
72 (1) |
62 (3) |
69 (1) |
72 (1) |
103 (5) |
93 (3) |
94 (4) |
87 (3) |
126 (7) |
827 (30) |
2023年 | 20 (0) |
80 (2) |
71 (2) |
48 (0) |
88 (1) |
90 (6) |
122 (1) |
136 (4) |
133 (4) |
120 (4) |
198 (7) |
1,106 (31) |
2024年 | 17 (0) |
68 (1) |
89 (0) |
70 (0) |
88 (1) |
105 (4) |
113 (4) |
164 (3) |
177 (8) |
139 (3) |
227 (7) |
1,257 (31) |
計 | 83 (1) |
287 (5) |
308 (3) |
277 (4) |
363 (7) |
407 (18) |
541 (15) |
581 (17) |
579 (22) |
497 (14) |
787 (28) |
4,710 (134) |
※()内の数値は死亡者数で内数である。


2024年の熱中症による死亡災害の事例
【死亡災害全体の概要】
- 総数は31件で、被災者は男性28件、女性3件であった。
- 発症時・緊急時の措置の確認及び周知していたことを確認できなかった事例が20件あった。
- 暑さ指数(WBGT)の把握を確認できなかった事例が24件あった。
- 熱中症予防のための労働衛生教育の実施を確認できなかった事例が14件あった。
- 糖尿病、高血圧症など熱中症の発症に影響を及ぼすおそれのある疾病や所見を有している事が明らかな事例は21件あった。
【事案の詳細】
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番号 | 月 | 業種 | 年代 | 気温 (注2) |
暑さ指数 (WBGT) (注3) |
事案の概要 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | その他の金属製品製造業 | 20歳代 | 34.6℃ | 30.5℃ | 被災者は工場内で作業に従事していたが、14時頃に体調不良のため早退することとなり、更衣室に向かった。16時過ぎに同僚が更衣室に入ったとき、倒れている被災者を発見し、救急搬送されたが死亡した。 |
2 | 7 | 陸上貨物取扱業業 | 30歳代 | 33.2℃ | 28.9℃ | 被災者は事業場倉庫内1階で電線ドラムのピッキング作業に従事していた。16時30分頃、倉庫北側ホームを通行中にうつ伏せに転倒し、意識を失い痙攣をおこした。倒れている被災者を発見し救急搬送され、集中治療室で治療を受けるが、翌日に死亡した。 |
3 | 7 | その他の土木工事業 | 40歳代 | 32.1℃ | 32.0℃ | 被災者は9時頃から校庭の土間打ちの作業のため、セメント等の袋を運搬する作業に従事していた。12時前、休憩室において、被災者が別の労働者に突然殴りかかり、奇声を上げ、その後痙攣を起こしため、救急搬送された。搬送先の病院にて処置が終わり、自宅に帰宅した後、再び痙攣を起こし、別の病院に救急搬送されたが、搬送先の病院で同日に死亡した。 |
4 | 7 | その他の事業 | 40歳代 | 30.8℃ | 30.9℃ | 被災者は廃棄物処理施設新設工事現場で、施設の性能試験を行うためのサンプリング作業を行っていた。14時から施設内でサンプリング作業を開始し、16時40分頃から不織布の保護衣、防じんマスクを着用し、約1時間かけてごみのサンプリング作業を終えたところ、体調が悪化し、ろれつが回らなくなったため救急搬送されたが、同日に死亡した。 |
5 | 7 | 産業廃棄物処理業 | 40歳代 | 34.0℃ | 31.4℃ | 被災者は9時から倉庫内でペットボトルの選別作業を行っていた。適宜休憩を取りながら作業していたが、15時30分頃、作業場所で前のめりになって動かない被災者を発見し、救急搬送されたが、搬送先の病院で6日後に死亡した。 |
6 | 7 | 産業廃棄物処理業 | 40歳代 | 不明 | 31.8℃ | 被災者はごみ焼却施設の管理を行っており、21時頃まで、粗大ごみ処理施設内の粗大ごみ前処理装置のごみの詰まりをバール等を用いて手作業で取り除く作業を行っていた。業務終了後駐車場に駐車中の自家用車内で休憩をとっていたところ、車内で死亡した。 |
7 | 7 | 農業 | 40歳代 | 37.0℃ | 29.8℃ | 被災者はねぎを栽培する畑において7時頃から適宜休憩を取りつつ草むしり等を行っていた。作業終了後の17時15分頃に体調が悪くなり、病院へ搬送されたが、11日後に死亡した。 |
8 | 7 | その他の事業 | 40歳代 | 33.4℃ | 31.9℃ | 被災者は道路の測量等の業務を行っており、8時頃から測量作業を始めた。11時20分頃、急に気分が悪くなったことから、社用車に乗せられて会社に戻ったうえで水分補給や身体冷却等を行ったが、痙攣したことから救急搬送されたが、発症から18日後に死亡した。 |
9 | 7 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 | 40歳代 | 33.4℃ | 29.9℃ | 被災者は午前8時頃より病院の新築工事に従事していたが、11時20分頃体調不良となったため休憩を取得したものの、その後意識がなくなり救急搬送されたが、発症から2日後に死亡した。 |
10 | 7 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 | 50歳代 | 37.0℃ | 31.5℃ | 被災者は8時30分から、鉄筋の圧接作業に従事していた。15時40分頃、歩行が困難となる等の症状となり、救急搬送されたが、同日に搬送先の病院で死亡した。 |
11 | 7 | 新聞販売業 | 50歳代 | 30.0℃ | 27.7℃ | 被災者は新聞配達業務を行っていたが、5時50分頃マンションの階段踊り場にて倒れていたところを当該マンションの住人に発見された。救急搬送され、翌日死亡した。 |
12 | 7 | クリーニング業 | 50歳代 | 31.0℃ | 32.3℃ | 被災者はクリーニング工場で作業中、10時頃体調が悪くなり、熱中症の疑いがあったことから保冷剤・経口飲料を渡して横になっていたが、水分補給が難しい状態となったことから12時頃に工場長に病院へ搬送され、入院したが、翌日死亡した。 |
13 | 7 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 | 50歳代 | 33.5℃ | 29.4℃ | 被災者は建物屋上で防水シート貼付け作業を終日行い、18時頃終業後に忘れ物を取りに屋上へ行った。被災者がしばらく戻らなかったため探しに行ったところ、足場の手すりに寄りかかり意識を失っていた状態で発見され、救急搬送されたが、その後死亡した。 |
14 | 7 | 一般貨物自動車運送業 | 50歳代 | 36.0℃ | 32.9℃ | 被災者は長距離の貨物輸送を行っており、10トントラックへ建設資材の積み込み作業等を行っていたが、12時45分頃にトラック荷台の荷の上で意識を失って倒れている状態で発見され、その後、救急搬送されたが、7日後に死亡した。 |
15 | 7 | 一般貨物自動車運送業 | 60歳代 | 35.7℃ | 31.1℃ | 被災者は段ボールの配送業務を行っていた。16時30分頃に配送先から帰社した。その後、22時50分頃に警備会社の労働者が事業場の施錠確認のために定刻の訪問巡視を実施した際、フォークリフト横に仰向けに倒れていた被災者を発見した。救急隊が到着した時点で、死亡していた。 |
16 | 7 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 | 70歳代 | 30.8℃ | 31.1℃ | 被災者は7時から工事現場で資材の片づけを行っていたところ、作業開始後30分程で倒れ、救急搬送されたが、死亡した。 |
17 | 7 | 電気通信工事業 | 70歳代 | 33.1℃ | 30.5℃ | 被災者は11時30分頃から工場の天井照明の取替作業をしていたが、13時頃体調が悪くなり冷房の効いた車内で休憩し、会社に熱中症の症状であると連絡をした後、会社まで車を運転して戻り、冷房の効いた車内で休憩をしていたが、14時45分頃意識を失い救急搬送されたが死亡した。 |
18 | 8 | 陸上貨物取扱業 | 40歳代 | 39.3℃ | 33.5℃ | 被災者は8時から倉庫内で自動車部品の容器への詰め替え作業に従事し、15時の休憩時に手の震えや休憩所周囲で座り込む様子が確認された後、屋外へ出て走っていたところ側溝部分で足を取られ転倒した。口から泡を吹きいびきをかいたような状態であったため、救急搬送されたが2日後に死亡した。 |
19 | 8 | 警備業 | 50歳代 | 34.4℃ | 32.6℃ | 被災者は片側交通規制の交通誘導を行っていた。16時頃当日の業務を終えて自家用車で帰宅していたところ、現場から50mほど先の民家に衝突する交通事故を起こした。意識があったものの救急搬送され、搬送先の病院で同日死亡した。 |
20 | 8 | 造船業 | 50歳代 | 32.8℃ | 30.2℃ | 被災者は工場敷地内に仮置きされた船体ブロック上で、資材の運搬作業を行っていた。作業中の14時20分頃に突然倒れたため、救急搬送したが、翌日に死亡したもの。 |
21 | 8 | その他の土木工事業 | 50歳代 | 33.5℃ | 30.2℃ | 被災者は資材等の片付け作業に従事していたが、16時20分頃に様子がおかしいことに気付いた職長が声掛けをしても返答がなく苦しそうにしていたため、救急搬送されたが、26日後に死亡した。 |
22 | 8 | 警備業 | 50歳代 | 33.2℃ | 32.2℃ | 被災者は交通誘導業務を行っていたが、15時頃に気分が悪くなり、その場で倒れた。救急搬送され、処置が行われたが、翌日に死亡した。 |
23 | 8 | パン、菓子製造業 | 50歳代 | 35.4℃ | 32.4℃ | 被災者は焼き上がったパンを窯から取り出すラインにて常時作業を行っていた。終業時刻である16時頃、事業場内で被災者が倒れているところを他の労働者が発見し、救急搬送されたが、同日17時頃に死亡した。 |
24 | 8 | 鉄道軌道建設工事業 | 50歳代 | 31.9℃ | 32.3℃ | 被災者は8時30分からダンプの運転等の作業に従事していた。14時頃に体調不良等の症状を訴えたため、休憩所で休憩し、14時30分頃に作業再開した。作業が終了し、会社に戻り、帰宅するために車両の助手席に乗ったところ、意識を失い、救急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。 |
25 | 8 | その他の輸送用機械等製造業 | 60歳代 | 32.9℃ | 31.0℃ | 被災者は自転車の車輪軸を加工するねじ切り機の作業を行っており、17時の勤務終了後、帰宅するため、自転車にて事業場の最寄り駅まで移動したが、駅の駐輪場で自転車にうつ伏せとなって動けなくなっていた状態で発見され、救急搬送されたが、16日後に死亡した。 |
26 | 8 | その他の建築工事業 | 60歳代 | 34.1℃ | 30.8℃ | 被災者は屋内の塗装作業を行っていた。15時頃から同僚と別の自動車内で30分ほど休憩し、同僚が被災者の様子を伺ったところ、車内で嘔吐していたため、救急搬送されたが、死亡した。 |
27 | 8 | 特定貨物自動車運送業 | 60歳代 | 32.6℃ | 31.5℃ | 被災者はガスボンベの輸送業務を行っており、12時45分頃、顧客から引き取って来た空のガスボンベ(重量約50kg)を、トラックの荷台からプラットホームへ下ろしていたところ、突然気分が悪くなったことからその場にゆっくりと倒れ込んだため、近くにいた同僚らにより救急搬送されたものの、当日、搬送先の病院において死亡した。 |
28 | 8 | その他の事業 | 70歳代 | 30.9℃ | 31.3℃ | 被災者は事務所に出社し、ゴミ出し作業後、事務所から約75メートル離れた土手の草刈り作業を行っていた。13時50分頃、事務所搬入口へつながる農道を走行していたトラック運転手が、土手の上に腹這いになって倒れている被災者を発見。発見時既に意識はなく、消防が現着した時点で心肺停止の状態であり、搬送先の病院で同日に死亡した。 |
29 | 8 | その他の事業 | 70歳代 | 33.2℃ | 31.0℃ | 被災者は12時50分頃から屋外で原動機付自転車講習の補助指導に従事していた。13時30分から休憩をとるため事務所に徒歩移動していた際、ふらついたため近くにいた職員が被災者を支えたが、その場でしゃがみこみ、意識が朦朧としていたことから、救急搬送されたが、2日後に死亡した。 |
30 | 8 | 新聞販売業 | 80歳代 | 33.7℃ | 32.3℃ | 被災者は朝刊と夕刊の配達業務に従事していた。1時30分頃から3時頃にかけて朝刊の配達を行い、自宅に直帰した。その後、13時30分頃に再度出勤し、夕刊の配達を開始した。15時30分頃、配達エリア内にある公園のベンチで被災者が休んでいるところを通行人が発見し、救急搬送されたが、同日死亡した。 |
31 | 11 | その他の建築工事業 | 60歳代 | 41.0℃ | 32.0℃ | 被災者はプレヒータ設備の亀裂補修作業を午前10時頃より開始した。30分経過したところで休憩に入るため同僚が被災者に声がけをし、先に作業場所を離れたが、被災者がついてこないため、作業場所に戻ったところ倒れている被災者を発見し、救急搬送されたが、同日死亡した。 |
(注1)現場での気温が不明な事例には、気象庁ホームページで公表されている現場近隣の観測所における気温を参考値として示した。
(注2)現場での暑さ指数(WBGT)が不明な事例には、調査時に環境省熱中症予防情報サイトで公表されている現場近隣の観測所における暑さ指数(WBGT)を参考値として示した。