熱中症とは

「熱中症」とは、高温多湿な環境下において、体内の水分及び塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、循環調節や体温調節などの体内の重要な調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称です。
症状として、めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感、意識障害・痙攣・手足の運動障害、高体温などが現われます。

熱中症の症状と分類

熱中症にはさまざまな症状が現れますので、それぞれに病名がつけられています。

熱失神 暑熱環境下で皮膚血流の著しい増加と多量の発汗とにより、相対的に脳への血流が一時的に減少することにより生ずる立ちくらみが起きる
熱けいれん 汗で失われた塩分が不足することにより生ずる筋肉のこむら返りや筋肉の痛みが出る
熱疲労 脱水が進行して、全身のだるさや集中力の低下した状態をいい、頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐などが起こる
熱射病 「熱疲労」を放置した状態。中枢神経症状や腎臓・肝臓機能障害、さらには血液凝固異常まで生じた状態のことで、普段と違う言動やふらつき、意識障害、全身のけいれん(ひきつけ)などが現れる

ただし、実際の現場では、これらの状態が混在して発生するので、熱中症が発生した時には、重症度にしたがって、下記のように、最近では軽症(Ⅰ度)、中等症(Ⅱ度)、重症(Ⅲ度)に分類しています。

熱中症の症状と分類(『日本救急医学会熱中症分類2015』より)

※横にスクロールします

症状 重症度 治療 臨床症状からの分類

Ⅰ度

(応急処置と見守り)
めまい、立ちくらみ、生あくび
大量の発汗
筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)
意識障害を認めない(JCS=0)
通常は現場で対応可能

→冷所での安静、体表冷却、経口的に水分とNaの補給
熱けいれん
熱失神

I度の症状が徐々に改善している場合のみ、現場の応急処置と見守りでOK

Ⅱ度

(医療機関へ)
頭痛、嘔吐、
倦怠感、虚脱感、
集中力や判断力の低下
(JCS≦1)
医療機関での診療が必要

→体温管理、安静、十分な水分とNaの補給(経口摂取が困難なときには点滴にて)
熱疲労

Ⅱ度の症状が出現したり、I度に改善が見られない場合、すぐ病院へ搬送する(周囲の人が判断)

Ⅲ度

(入院加療)
下記の3つのうちいずれかを含む

(C)中枢神経症状(意識障害JCS≧2、小脳症状、痙攣発作)(H/K)肝・腎機能障害(入院経過観察、入院加療が必要な程度の肝または腎障害)
(D)血液凝固異常(急性期DIC診断基準(日本救急医学会)にてDICと診断)⇒Ⅲ度の中でも重症型
入院加療(場合により集中治療)が必要

→体温管理(体表冷却に加え体内冷却、血管内冷却などを追加)呼吸、循環管理DIC治療
熱射病

Ⅲ度か否かは救急隊員や、病院到着後の診療・検査により診断される

日本救急医学会熱中症分類2015:付記

  • 暑熱環境に居る、あるいは居た後の体調不良はすべて熱中症の可能性がある。
  • 各重症度における症状は、よく見られる症状であって、その重症度では必ずそれが起こる、あるいは起こらなければ別の重症度に分類されるというものではない。
  • 熱中症の病態(重症度)は対処のタイミングや内容、患者側の条件により刻々変化する。特に意識障害の程度、体温(特に体表温)、発汗の程度などは、短時間で変化の程度が大きいので注意が必要である。
  • Ⅰ度は現場にて対処可能な病態、Ⅱ度は速やかに医療機関への受診が必要な病態、Ⅲ度は採血、医療者による判断により入院(場合により集中治療)が必要な病態である。そのため、予防が最も重要であることは論を待たないが、早期認識、早期治療で重症化を防げれば、死に至ることを回避できる。
  • 欧米で使用される臨床症状からの分類を右端に併記する。
  • Ⅲ度は記載法としてⅢC、ⅢH、ⅢHK、ⅢCHKDなど障害臓器の頭文字を右下に追記
  • 治療にあたっては、労作性非労作性(古典的)かの鑑別をまず行うことで、その後の治療方針の決定、合併症管理、予後予想の助けとなる。
  • DICは他の臓器障害に合併することがほとんどで、発症時には最重症と考えて集中治療室などで治療にあたる。
  • これは、安岡らの分類を基に、臨床データに照らしつつ一般市民、病院前救護、医療機関による診断とケアについてわかりやすく改訂したものであり、今後さらなる変更の可能性がある。

熱中症者への対応

熱中症が疑われる人を見かけた場合の対応手順を紹介します。その人の状態やその場の環境によりますが、まず下記の手順で応急処置を行いましょう。

①意識を確認する。意識がはっきりしていなければただちに救急隊を要請

②意識がはっきりしている場合は

  • 涼しい場所(エアコンの効いた室内、風通しの良い日陰など)へ避難させる
  • 衣服をゆるめ、からだを冷やす(特に首の回り、脇の下、足の付け根など)
  • 水分・塩分、経口補水液(水に食塩とブドウ糖を溶かしたもの)などを補給する自力で水分がとれなければ、ただちに救急隊を要請

熱中症の発生状況(2013~2022年)

職場での熱中症による死亡者及び休業4日以上務疾病数(下合わせて「死傷者数」という。)合わせて「死傷者数」という。)は、令和4年(2022年)に805人となった。うち死亡者数は28人となっている。

職場における熱中症による死傷者数の推移(2013~2022年)

※横にスクロールします

(人)

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
530
(30)
423
(12)
464
(29)
462
(12)
544
(14)
1,178
(28)
829
(25)
959
(22)
561
(20)
805
(28)

※2022年の件数は2023年1月13日時点の速報値である。

※()内の数値は死亡者数であり、死傷者数の内数である。

職場における熱中症による死傷者数の推移

職場における熱中症による死傷者数の推移

熱中症の業種別発生状況(2018~2022年)

2018年以降の業種別の熱中症の死傷者数をみると、建設業、次いで製造業で多く発生していた。

2022年の死亡災害については、建設業において13件と最も多く発生していた。

熱中症による死傷者数の業種別の状況(2018~2022年)

※横にスクロールします

(人)

業種 建設業 製造業 運送業 警備業 商業 清掃・
と畜業
農業 林業 その他
2018年 239
(10)
221
(5)
168
(4)
110
(3)
118
(2)
81
(0)
32
(1)
5
(0)
204
(3)
1,178
(28)
2019年 153
(10)
184
(4)
110
(2)
73
(4)
87
(1)
61
(0)
19
(0)
7
(0)
135
(4)
829
(25)
2020年 215
(7)
199
(6)
137
(0)
82
(1)
78
(2)
61
(4)
14
(1)
7
(0)
166
(1)
959
(22)
2021年 130
(11)
87
(2)
61
(1)
68
(1)
63
(3)
31
(0)
14
(2)
7
(0)
100
(0)
561
(20)
2022年 172
(13)
144
(2)
126
(1)
90
(6)
79
(1)
56
(2)
20
(2)
6
(0)
112
(1)
805
(28)
909
(51)
835
(19)
602
(8)
423
(15)
425
(9)
290
(6)
99
(6)
32
(0)
717
(9)
4,332
(123)

※2022年の件数は2023年1月13日時点の速報値である。

※()内の数値は死亡者数で内数である。

熱中症による業種別死傷者数の割合(2018~2022年計)

熱中症による業種別死傷者数の割合(2018~2022年計)

熱中症による業種別死傷者数(2018~2022年計)

熱中症による業種別死傷者数(2018~2022年計)

月・時間帯・年齢別発生状況(2018~2022年)

1.月別発生状況

2018年以降の月別の熱中症の死傷者数をみると、全体の8割以上が7月及び8月に発生していた。

熱中症による死傷者数の月別の状況(2018~2022年)

※横にスクロールします

(人)

5月
以前
6月 7月 8月 9月 10月
以降
2018年 19
(0)
60
(2)
697
(17)
366
(8)
31
(1)
5
(0)
1,178
(28)
2019年 30
(0)
45
(1)
177
(5)
472
(15)
97
(3)
8
(1)
829
(25)
2020年 18
(1)
85
(0)
115
(4)
651
(16)
84
(1)
6
(0)
959
(22)
2021年 11
(1)
41
(0)
213
(7)
269
(12)
20
(0)
7
(0)
561
(20)
2022年 15
(0)
181
(10)
283
(8)
273
(10)
45
(0)
8
(0)
805
(28)
93
(2)
402
(13)
1,477
(41)
2,021
(61)
277
(5)
28
(1)
4,332
(123)

※2022年の件数は2023年1月13日時点の速報値である。

※5月以前は1月から5月まで、10月以降は10月から12月までを指す。

※()内の数値は死亡者数で内数である。

熱中症による月別死傷者数(2020~2022年計)

熱中症による月別死傷者数(2020~2022年計)

熱中症による月別死傷者数(2018~2022年計)

熱中症による業種別死傷者数(2018~2022年計)

2.時間帯別発生状況

2018年以降の時間帯別の熱中症の死傷者数をみると、15時台が最も多く、次いで14時台が多くなっていた。なお、日中の作業終了後に帰宅してから体調が悪化して病院へ搬送されるケースも散見された。

熱中症による死傷者数の時間帯別の状況(2018~2022年)

※横にスクロールします

(人)

9時台
以前
10時台 11時台 12時台 13時台 14時台 15時台 16時台 17時台 18時台
以降
2018年 114
(5)
103
(1)
124
(1)
80
(4)
79
(1)
155
(4)
154
(4)
141
(6)
82
(0)
146
(2)
1,178
(28)
2019年 92
(1)
69
(3)
93
(2)
56
(1)
75
(4)
109
(6)
114
(3)
94
(0)
55
(3)
72
(2)
829
(25)
2020年 104
(2)
102
(3)
119
(0)
86
(3)
73
(4)
116
(3)
124
(2)
92
(4)
61
(0)
82
(1)
959
(22)
2021年 48
(0)
56
(1)
74
(3)
53
(4)
47
(3)
63
(3)
73
(0)
61
(3)
38
(3)
48
(0)
561
(20)
2022年 98
(1)
74
(3)
87
(1)
52
(3)
72
(2)
112
(3)
103
(6)
89
(2)
53
(3)
65
(4)
805
(28)
456
(9)
404
(11)
497
(7)
327
(15)
346
(14)
555
(19)
568
(15)
477
(15)
289
(9)
413
(9)
4,332
(123)

※2022年の件数は2023年1月13日時点の速報値である。

※9時台以前は0時台から9時台まで、18時台以降は18時台から23時台までを指す。

※()内の数値は死亡者数で内数である。

熱中症による時間帯別死傷者数(2018~2022年計)

熱中症による時間帯別死傷者数(2018~2022年計)

3.年齢別発生状況

2018年以降の年齢別の熱中症の死傷者数をみると、全体の約5割が50歳以上となっていた。

熱中症による死傷者数の年齢別の状況(2018~2022年)

※横にスクロールします

(人)

19歳
以下
20~
24歳
25~
29歳
30~
34歳
35~
39歳
40~
44歳
45~
49歳
50~
54歳
55~
59歳
60~
64歳
65歳
以上
2018年 23
(0)
85
(1)
76
(3)
85
(0)
93
(1)
123
(3)
144
(6)
139
(2)
145
(7)
114
(0)
151
(5)
1,178
(28)
2019年 18
(0)
57
(0)
53
(1)
55
(2)
58
(0)
79
(3)
228
(9)
98
(3)
111
(3)
69
(1)
114
(3)
829
(25)
2020年 24
(0)
54
(0)
51
(0)
56
(1)
82
(2)
87
(5)
134
(2)
123
(4)
105
(2)
93
(3)
150
(3)
959
(22)
2021年 12
(1)
46
(0)
25
(0)
41
(0)
36
(2)
53
(2)
69
(3)
65
(3)
70
(4)
58
(1)
86
(4)
561
(20)
2022年 10
(0)
37
(2)
71
(1)
59
(2)
64
(0)
70
(1)
101
(5)
92
(3)
90
(4)
125
(3)
86
(7)
805
(28)
87
(1)
279
(3)
276
(5)
296
(5)
333
(5)
412
(14)
565
(25)
517
(15)
521
(20)
459
(8)
5870
(22)
4,332
(123)

※2022年の件数は2023年1月13日時点の速報値である。

※()内の数値は死亡者数で内数である。

熱中症による年齢別死傷者数の割合(2018~2022年計)

熱中症による年齢別死傷者数の割合(2018~2022年計)

2022年の熱中症による死亡災害の事例

【死亡災害全体の概要】

  • 総数は28件で、被災者はすべて男性であった。
  • 暑さ指数(WBGT)の把握を確認できなかった事例が24件あった。
  • 熱中症予防のための労働衛生教育の実施を確認できなかった事例が25件あった。
  • 発症時・緊急時の措置の確認・周知していたことを確認できなかった事例が26件あった

【事案の詳細】

※横にスクロールします

番号 業種 年代 気温
(注2)
暑さ指数
(WBGT)
(注3)
事案の概要
1 6 農業 50歳代 25.1℃ 23.3℃ 被災者は6時30分頃からコンバインの修理を行い、13時頃修理終了後に社用車で移動して事業場所有の圃場の見回り作業を行った。その後翌日18時頃まで社用車が停まっていたため、不審に思った周辺住民が通報したところ、社有車内で死亡しているのが確認された。
2 6 その他の建設工事業 40歳代 34.4℃ 27.4℃ 被災者は出張作業(午前中は移動し、昼から通気性の悪い服装で清掃業務を行っていた)からの移動中、17時頃気分が悪くなったため、一旦停車したが、意識がなくなり緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
3 6 木造家屋建築工事業 60歳代 35.5℃ 不明 被災者は8時から木造2階建家屋新築工事現場で壁面の左官作業を行っていた。12時から昼休憩をとり、その最中に行方不明となり、15時頃離れた場所で倒れているところを発見され、その場で死亡が確認された。
4 6 ごみ収集運搬業 60歳代 33.8℃ 30.0℃ 被災者は8時から請負先事業場で敷地内10箇所をトラックで回ってゴミを回収し、敷地内の最終集積場まで運ぶ業務を行っていた。13時頃から3回目の集積業務を行っていたところ、15時頃に衝突事故を起こし、車内で動けなくなっている被災者が緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
5 6 道路建設工事行 40歳代 34.2℃ 31.5℃ 被災者は事業場内で午前中は清掃等片付け作業を行い、午後からセメント袋の整理作業を行っていた。15時頃整理作業中にセメント袋を落とし、倒れ込んだ後嘔吐したため、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
6 6 警備業 60歳代 28.0℃ 24.6℃ 被災者は8時から団地の巡回警備業務を行っていた。22時頃に5回目の警備巡回中に意識を失い、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
7 6 建築設備工事業 20歳代 31.7℃ 不明 被災者は9時頃から住宅の外壁塗装工事現場において、解体した足場の運搬作業を行っていた。10時40分頃作業終了し、10時50分頃次の現場への移動途中で意識が混濁し、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
8 6 道路建設工事業 50歳代 33.4℃ 31.2℃ 被災者は8時頃から歩道脇に防草コンクリートブロックの設置作業を開始し、10時前に休憩した後、10時頃めまいの症状を訴え、事務所で休んでいたところ、容態が悪化し、10時40分頃意識不明となり、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
9 6 その他の建築工事業 60歳代 33.2℃ 不明 被災者は9時頃から個人住宅の外構工事においてコンクリート打設作業終了を行った。12時30分頃片付け業務を行っていたが、様子が変だったため、昼休憩と合わせて休むよう指示された。14時20分頃まで休憩している姿が確認されたが、数分目を離したら被災者が意識を失っており、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
10 6 警備業 60歳代 35.5℃ 32.7℃ 被災者は9時頃木造家屋建築工事現場に到着し、現場で待機した後、11時頃から車両の交通整理作業を行っていた。12時頃交通整理作業中に被災者が座り込んで立てなくなったため、救急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
11 7 警備業 70歳代 28.2℃ 26.1℃ 被災者は学校の警備員として18時過ぎから夜間の建物施錠管理等警備業務を行っていた。22時頃見回り中に倒れたと思われ、翌朝5時50分頃学校の入口前で出勤した学校職員が倒れている被災者を発見し、その場で死亡が確認された。
12 7 橋梁建設工事業 40歳代 34.9℃ 31.3℃ 被災者は8時30分から道路上の橋梁の伸縮装置の設置作業を行った。適宜休憩を取って、14時から道具の片付け作業を始めたが、14時10分頃突然意識を失い、その場で死亡が確認された。
13 7 警備業 30歳代 30.4℃ 29.3℃ 被災者は9時からケーブル配線切替工事で交通誘導業務を行っていた。14時頃休憩の際に小型自動二輪車に乗って現場を離れたところ、転倒して意識不明となり、緊急搬送されたが、熱中症による多臓器不全により搬送先の病院で死亡した。
14 7 洗たく、洗張又は染め物の事業 40歳代 40.0℃ 36.3℃ 被災者は8時30分から派遣先のクリーニング工場において、寝具の仕分け作業に従事していた。17時頃被災者の意識が朦朧となり、その場でひざまずいたため、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
15 7 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 40歳代 33.6℃ 不明 被災者は午前中に同僚と機械のメンテナンス作業後、13時頃から一人でRC造2階建家屋の新築工事現場において、IHヒーターの取り付け工事を行っていた。16時30分頃体調不良を感じ、屋外で休憩していたところ、すぐに意識を失い緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
16 7 警備業 60歳代 25.6℃ 26.0℃ 被災者は9時頃から学校の外壁その他長寿命化工事で工事車両の誘導警備を行っていた。11時30分から休憩し、13時頃代理人が被災者の様子を確認しようとした際に自家用車の脇に横たわっている姿で発見され、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
17 7 その他の建築工事業 20歳代 29.5℃ 28℃~29℃ 被災者は8時30分から太陽光パネル設置工事で太陽光パネルの取り付け作業を行っていた。10時45分頃体調不良を訴え、自家用車でクーラーをかけて休んでいたが、11時頃自家用車の脇に座り込んでいるのを発見され、しばらく錯乱状態が続いていた。11時45分頃被災者を現場事務所へ連れて行ったが、12時頃容体がさらに悪くなり、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
18 8 土地整理土木工事 20歳代 27.1℃ 28.4℃ 被災者は8時頃ほ場整理工事現場でほ場にある岩石を拾い集める除礫作業を行っていた。11時頃休憩を取り、休憩後に業務を再開しようとしたところ、ふらついたため、車内で保冷剤を当てて様子を見ていたが、11時15分頃被災者が痙攣したため、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
19 8 その他の木材・木製品製造業 50歳代 36.2℃ 31.0℃ 被災者は13時から倉庫内で木製の建材を鋼製の棚から人力で引き抜く作業を行っていたところ、17時頃に体調不良を訴え、一人で休んでいたが、18時30分頃に過呼吸を引き起こし、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
20 8 農業 70歳代 33.1℃ 不明 被災者は7時30分から一人でかまを使って草刈り作業を行っていた。13時10分頃様子を見に行ったところ姿が見当たらず、15時30分頃に探しても姿が見当たらず、18時20分頃倒れている状態で発見され、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
21 8 警備業 40歳代 36.4℃ 32.0℃ 被災者は9時からガス管敷設工事現場で交通誘導作業を行っていたが、15時頃に体調不良を訴え休んでいたところ、数分後に倒れ込み、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
22 8 ビルメンテナンス業 50歳代 35.2℃ 32.9℃ 被災者は9時頃から学校内の廊下及び内部階段の床にワックス塗布作業を行った。14時30分頃作業中に体調不良を訴え、一度休憩を挟み15時40分頃作業を再開した。16時頃作業終了後徒歩で移動中に倒れ、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
23 8 農業 60歳代 36.4℃ 31.4℃ 被災者は5時頃からスイカ畑でスイカ畑に設置された金属製のフレームからパッカーと呼ばれる器具をはずす作業を行っていた。適宜休憩をとっていたが、12時30分頃意識を失った状態で発見され、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
24 8 小売業 50歳代 34.4℃ 不明 被災者は8時頃からガソリンスタンドで給油等来客対応を行い、13時過ぎから昼休憩を取った後、14時頃から来客対応に加えて洗濯作業を始めた。15時30分頃ガソリンスタンド内の倉庫にて、洗濯物をハンガーに掛けていたところ、倒れたため、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
25 8 道路建設工事業 30歳代 33.0℃ 不明 被災者は9時から足場の組み立て作業のために足場資材の運搬作業を行っていた。15時頃気分が悪くなったため、車内で休ませていたところ、15時30分頃容態が悪化し、緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。
26 8 警備業 60歳代 33.7℃ 30.0℃ 被災者は8時30分からマンション新築工事現場で車両の誘導業務を行っていた。16時30分頃急に現場を離れる姿を確認された。被災者が戻ってこなかったため17時頃に被災者に連絡したところ、付近で倒れていたため、緊急搬送されており、搬送先の病院で死亡した。
27 8 その他の建設業 50歳代 27.8℃ 30.3℃ 被災者は8時30分から同僚と二人で畦畔にて草刈り作業を行っていた。10時に休憩し、休憩後11時頃に草刈り機が不調で同僚が交換するため、外している間に被災者は畦畔で倒れたが、発見が遅れ、その場で死亡が確認された。
28 8 運送業 50歳代 30.7℃ 不明 被災者が8時頃から派遣先事業場において、野菜の洗浄作業を行っていた。11時頃に体調不良を訴え、すぐに病院に搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。

(注1)2023年1月13日時点の速報であり、今後、内容が修正されることがあり得る。
(注2)現場での気温が不明な事例には、気象庁ホームページで公表されている現場近隣の観測所における気温を参考値として示した。
(注3)現場での暑さ指数(WBGT)が不明な事例には、調査時に環境省熱中症予防情報サイトで公表されている現場近隣の観測所における暑さ指数(WBGT)を参考値として示した。

都道府県別の職場における熱中症による死亡者数(2011〜2020年)

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都道府
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
合計
1 北海道 1 1 1 1 1 5
2 青森 1 1 2
3 岩手 1 1 1 3
4 宮城 2 1 1 1 5
5 秋田 1 1 1 3
6 山形 0
7 福島 1 3 1 3 8
8 茨城 3 1 1 1 6
9 栃木 1 3 4
10 群馬 1 1
11 埼玉 2 1 1 1 1 1 7
12 千葉 1 2 1 2 5 11
13 東京 1 4 1 6
14 神奈川 2 3 1 4 1 1 12
15 新潟 2 2
16 富山 2 1 1 1 5
17 石川 1 1 1 3
18 福井 0
19 山梨 0
20 長野 1 1 1 1 4
21 岐阜 1 1 1 3
22 静岡 3 2 1 2 2 10
23 愛知 1 1 3 4 1 1 3 2 4 20
24 三重 2 2 3 1 1 9
25 滋賀 1 1 1 1 4
26 京都 1 1 1 3
27 大阪 1 1 2 2 2 1 3 2 1 15
28 兵庫 2 1 1 3 1 8
29 奈良 1 1
30 和歌山 2 2
31 鳥取 1 1
32 島根 0
33 岡山 2 2
34 広島 1 2 1 1 5
35 山口 1 1 2
36 徳島 0
37 香川 1 2 1 4
38 愛媛 2 1 1 1 5
39 高知 1 1
40 福岡 2 1 1 2 1 1 8
41 佐賀 0
42 長崎 2 1 1 1 5
43 熊本 1 1
44 大分 1 2 1 1 5
45 宮崎 1 1 1 3
46 鹿児島 1 1 1 1 4
47 沖縄 1 2 3
合計 18 21 30 12 29 12 14 28 25 22 211